繊維学部 化学・材料学科教授 野村泰志先生のご逝去を悼む

本学部化学・材料学科教授 野村泰志先生が病気療養中のところ、6月4日に急逝されました。ご葬儀は、6月16日故郷の山形県酒田市で厳かに執り行われ、家族葬でありましたが、前学部長、化学・材料学科教員数名の参列をお許しいただき、野村泰志先生のご冥福をお祈りいたしました。
 野村泰志先生は、繊維学部に平成2年に赴任されてから、長きに亘り研究、教育にご尽力されてきました。計算化学を手法とするご研究により、様々な化学現象の理論的な解析、材料の機能、安定性などの予測を通じての新規材料創出への寄与など、化学・材料分野で継続的に多大な貢献を果たされてきました。研究室では、学部学生、修士、博士課程学生の研究指導に当たられ、多くの卒業生を社会に輩出されています。野村泰志先生は特に教育に熱心に取り組まれ、量子化学、量子力学、統計熱力学、分子分光学、学生実験などの学部授業科目、また、修士課程科目である分子化学特論などの多くの授業科目の講義に情熱を注がれました。授業における指導はきめ細かく、1学科100名を超える化学・材料学科学生に対しても個別にメールで指導するなど、学生一人一人と向き合う教育を大切にされていました。そのように面倒見が良く、気さくなお人柄であったこともあり、多くの学生から慕われる先生でした。学部においては多くの重要な役職を担当され、また化学・材料学科でも、2022年度の学科長をお務めになられています。学科長在任中は、3コースの統合間もない化学・材料学科の礎が盤石なものになるようご尽力されました。
 享年63歳での早すぎる、あまりにも突然のご逝去に、大学教職員、学生一同、深い悲しみに包まれながら、やるせなく混乱した一月を過ごしました。四十九日をお迎えになるこの機に、改めて野村泰志先生のご逝去を悼み、ご冥福をお祈りいたします。

化学・材料学科 教職員 一同